ウィズコロナ観光が本格化 ワクチン接種で特典付与
緊急事態宣言の全面解除の決定を受け、経済正常化への動きが活発化する中、苦境に立たされていた旅行業界は、ワクチン接種済みの確認など新型コロナウイルス予防策と需要を喚起する「特典」を組み合わせる〝ウィズコロナ観光〟を本格化させる。
日本旅行の担当者はそう話す。同社は10月1日から2回のワクチン接種を終えた利用客向けに、個人旅行商品のWeb限定キャンペーンを始める。期間は12月26日出発分まで、先着1500室限定だ。未接種のメンバーがいても、グループで1人以上が接種済みであれば、1週間以内のPCR検査による陰性証明でも参加可能。特典として、予約した宿泊施設の部屋数につき3千円分の館内利用券が提供される。
エイチ・アイ・エスも1日から来年3月31日までに出発する添乗員付きツアーで、10月17日までに予約をしたワクチン接種者を対象に、1人当たり3千円の割引キャンペーンを始める。
読売旅行(東京)は1日から添乗員同行のツアーを全国で解禁し、ワクチン接種を2回終えるか、PCR検査などで陰性だった人に参加者を限定。ウィズコロナの環境を前提に安心・安全を重視したプランが評価され、予約人数は前月比で約3倍に上る日もあるほど好調という。
JTBはツアー商品で参加を接種者に絞ったり、それに伴う特典を付与したりするのには慎重な姿勢だ