台湾交通部(日本の国土交通省に類似)は2023年7月1日より、台湾北部(台北市・新北市・基隆市・桃園市)、中部(台中市・彰化県・南投県・苗栗県)、南部(台南市・高雄市・屏東県)の三大生活圏(合計11県・市)で、特定の公共交通機関が1か月間乗り放題となる定額定期券「TPASS」を導入すると発表した。
今月15日からMRT、在来線、バスターミナルなどで販売を開始する。政府は1か月当たり延べ62万人の利用を見込む。
台北市ではすでに、台北メトロ(MRT)や台北市及び新北市の路線バス、淡海及び安坑のライトレールなどが1,280台湾元(約5,800日本円)で1か月間乗り放題になる定額定期券の販売を行っていた。
これに対して、この「TPASS」は政府主導で実施する新たな定額定期券となる。交通部は8日に開いた記者会見で、専用カード「TPASS行政院通勤月票」のデザインを公表するとともに、「TPASS」の「T」が、台湾(Taiwan)、交通輸送(Transport)を代表し、同時にTogether(一緒に)、Tour(ツアー)、Trust(信頼)などの意味も含むことを明らかにした。
交通部の王国材部長によると、定額定期券「TPASS」は在来線(台湾鉄道)、長距離バス、メトロ(MRT)、ライトレール、路線バス、自転車の公共シェアリングサービス、渡船などに利用でき、脱炭素化に貢献するとともに、通勤者の経済的負担を減らすことにつながる。
【台湾北部(台北市・新北市・基隆市・桃園市)】
定額定期券「TPASS」の販売価格:1,200台湾元(約5,435日本円)
専用カード「TPASS行政院通勤月票」を購入するか、交通系ICカード「悠遊カード(Easy Card)」にチャージして使用することが可能。その他の交通系ICカードについては段階的に導入する方針。自転車の公共シェアリングサービスについては、台北市・新北市は30分まで無料、桃園市は60分まで無料となる。
【台湾中部(台中市、彰化県、南投県、苗栗県)】
定額定期券「TPASS」の販売価格:台中市民699台湾元(約3,165日本円)、台中市民以外999台湾元(約4,524日本円)
専用カード「TPASS行政院通勤月票」を購入するか、交通系ICカードや電子マネーの「悠遊カード(Easy Card)」、「一卡通(iPASS)」、「愛金卡(icash)」にチャージして使用することが可能。但し、「愛金卡(icash)」については当面、在来線と自転車の公共シェアリングサービスが対象外となる。台中市、彰化県、苗栗県では自転車の公共シェアリングサービスが30分まで無料となる。台中市はこれとは別に、台中市内を利用範囲とする定額定期券を、台中市民299台湾元(約1,354日本円)、台中市民以外599台湾元(約2,712日本円)で販売する。
【台湾南部(台南市・高雄市・屏東県)】
定額定期券「TPASS」の販売価格:999台湾元(約4,524日本円)
台南市と屏東県ではこれとは別に、在来線を含まない299台湾元、在来線を含む399台湾元(約1,807日本円)の定額定期券も販売する。高雄市は399台湾元の定額定期券を販売する。
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交通部によると、台湾の全22県・市のうち、7月1日から生活圏ごとの定額定期券「TPASS」が導入される。その他の県・市については、離島の金門県と連江県(馬祖)で当面導入の予定がないのを除き、残り9県・市についても年内に導入される見通し。
村松社長
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