【産経新聞・ニューヨーク=平田雄介】バイデン米大統領は20日で就任1年となるのを前に19日開いた記者会見で「新型コロナウイルスが脅威とならない時代に必ずたどり着く」と語り、新型コロナ克服へ強い決意を示した。この1年、ワクチン接種を積極的に進めたが、国民の評価を得ているとは言い難い。新変異株「オミクロン株」の蔓延(まんえん)を乗り切り、社会・経済活動の全面再開に道筋をつけられるかが2年目の課題だ。
新型コロナの感染が広がる中で実施された一昨年の大統領選で、マスク着用を勧めないトランプ前大統領を批判したバイデン氏は、コロナ対策の切り札としてワクチン接種を推奨。規定回数の接種を完了した人は18歳以上の7割を超えている。
会見では「ロックダウン(都市封鎖)や学校閉鎖に戻るつもりはない」と語り、簡易検査キットや新薬の飲み薬を活用し、まずは「新しい日常」に適応するよう呼びかけた。
ただ、バイデン氏のコロナ対策への国民の目は厳しい。バイデン氏自身の支持率は19日時点で41・9%、不支持率が52・5%。支持率は昨年8月のアフガニスタンからの米軍撤退時の混乱に伴い下落して以降も低迷を続けており、コロナ対策はその一因だ。
米統計分析サイト「ファイブサーティーエイト(538)」の集計によると、就任直後、コロナ対策への支持は7割近くあったが、接種率の伸び悩みを受けて「義務化」を推進し、デルタ株が蔓延した昨年7月を転機に下落傾向が続く。
オミクロン株による新規感染者が急増した今月、コロナ対策への不支持は48・3%に上り、支持(44・6%)をついに逆転。米CBSニュースが16日公表した世論調査によると、不支持の理由で最多は政府の「情報発信の紛らわしさ」で69%に上った。
米メディアによると、年末年始にかけ、感染後の隔離期間を10日から5日に短縮する一方、高機能マスクの着用など感染予防を呼びかけた対応が、自宅にこもるべきか、日常生活を続けても大丈夫なのかと多くの人を当惑させた-という。
「ワクチン接種義務化の推進」への不満も多い。義務化には、ワクチンを忌避する人が多い南部に拠点を置く企業などは「深刻な人手不足に陥る」と反発した。また、接種しないという「選択の自由」を奪う措置でもあることから共和党支持者の大半が反対し、党派闘争の様相を帯びた。
村松社長
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