2020年は迷走(どう対処したら良いものか)の一年、2021年は混沌(行ったり来たりでまだ手探りで不明の一年)、さてそして間も無く2022年は???
デルタ後、今またぞろ世界を席巻している流行り病の変種株オミクロンですが、そんな中、日本の神がかり的なまだ今のところ軽度な状況ですが
読むのがしんどいので【日経ビジネス誌】最終ページから↓
以下の1)〜5)がこれからのポイント
1)変異ウイルスの出現は、今後も続くことが予想されている。
2)日本は今回、非常に厳しい国境管理を敷いているが、どのタイミングで規制を緩和していくのか。
3)どの国にとってもコロナ対策と経済対策の両立を図ることは難しく、どんな政策を取っても世論の批判は避けられない。
4)ただ、新型コロナの感染拡大は今後も続き、いつかは共生という出口戦略を探らなければならない。
5)欧州諸国は多くの失敗を繰り返しながら、そのトライを進めている。
6)日本のコロナ共生への道筋はまだ見えていない。
世界が新型コロナウイルスの「オミクロン型」への対応に揺れている。同型は感染力が高いとみられ、各国が入国規制などを強化している。
ほとんどの規制を撤廃した英国と、行動制限を続けてきた日本は、どのようにオミクロン型に向き合うのか。
【グラフ】2021年の経済成長予測。IMFによる2021年のGDP予測では、英国がインドや中国に続き、主要な先進国では最も高い成長率となりそうだ 英ロンドンの新型コロナウイルス検査会場の様子が、わずか2週間で大きく変わった。
筆者が11月末に英国外へ出張するために、「エクスプレステスト」という事業者の検査を受けた際には、ほとんど待つことなく検査を受けられた。だが、2021年12月6日午後、ヒースロー空港の検査会場では、長い列ができていた。
新型コロナの「オミクロン型」が広がり、世界各国が入国時に陰性証明などを求めるなど、規制を強化しているためだ。
世界がオミクロン型への対応に揺れている。11日時点で、既に世界の50カ国以上でオミクロン型が確認されている。各国が入国規制を強化し、多くの国が南アフリカやアフリカ南部の国々からの入国に厳しい制限を課している。
英国では10日時点で、1265件のオミクロン型の感染を確認しており、感染拡大を防ぐために入国時の検査を強化した。
従来は入国後に簡易検査を受け、陰性を証明すれば自由に行動できたが、入国時には陰性証明が求められ、入国後にはPCR検査が必要になった。
また、人口の大半を占めるイングランドでは、これまで公共交通機関や店舗内などでマスク着用の義務はなかったが、11月30日から義務化された。同日以降、電車内などでは多くの人がルールに従っていた。
さらに、12月8日には在宅勤務を推奨するほか、劇場や映画館でのマスク着用を義務化すると発表した。
だが、今のところ英国はロックダウン(都市封鎖)などの強力な規制導入は考えていないようだ。
入院患者数と死者数を主な指標としており、それは今のところ大きな増加にはなっていない。サジド・ジャビド保健相は6日、英国内で市中感染が起きていることを認めたが、学校などの基本的な運営に変化はない。
10日時点で飲食店やナイトクラブは引き続き営業しており、マスクの着用義務や在宅勤務によって、オミクロン型のまん延を遅らせようとしている。
2021年の英国は、新型コロナの感染拡大とワクチン接種、経済成長の3つの要素が激しく変動した。1月は感染が急速に拡大し、病院の受け入れ能力が逼迫。多くの死者を出してしまった。1月初旬から3回目となるロックダウンを導入したため、1~3月期のGDP成長率はマイナス1.4%となった。
また同時期、世界に先駆けてワクチンの大規模接種を開始。急速に接種を進め、世界有数の接種率となった。その効果なのか、上のグラフが示すように2月ぐらいから感染者数は大幅に減少した。
英国は2021年、主要な先進国ではトップクラスのGDP成長率の見通し
それでも様子を見るのではなく、積極的な政策を取るのが英国らしい。
7月19日には一気に規制を緩和。マスクの着用やソーシャルディスタンスなどほとんどの規制を撤廃した。
従前の予想通り、すぐに感染が拡大し、夏以降は1日当たりの感染者数が3万~6万人の間を行ったり来たり。
それでも政府は規制を強化する構えをほとんど見せなかった。ボリス・ジョンソン首相は、新型コロナとの「共生」という言葉を使う。
その間、経済は劇的に回復する。人々が買い物や海外旅行を謳歌し、4~6月期のGDP成長率は前期比5.5%増という大幅な上昇だった。
国際通貨基金(IMF)の予測では、21年通期でも6.8%という成長の見通しであり、インドや中国に続き、主要な先進国ではトップクラスの伸び率となりそうだ。
英政府が自身の政策に自信を持っているように見えたのが11月だ。欧州諸国で感染が拡大し、オランダやオーストリアなどが再びロックダウンを導入した。
しかし、英国はその時にも感染者数は大きく増えなかった。政府関係者たちは、規制撤廃が早かったために感染者数の変動が小さかったことや、ワクチン接種率の高さを要因として挙げていた。
オミクロン型に対しては、規制を強化せざるを得なかったが、それでも規制は最小限にするという基本的な戦略は変えていない。入国時のPCR検査を決定した際には、ジャビド保健相は、「一時的なものであり、なるべく早く廃止したい」と述べた。
オミクロン型が確認されてからは、3回目のワクチン接種を強く勧めている。英政府は40歳以上の全ての英国在住者に対し、接種の予約を受け付けており、今後はその対象を18歳以上に広げる方針だ。ジョンソン首相は「オミクロン型への唯一、最良の防御策はブースター接種だ」と述べる。
近いうちにオミクロン型がデルタ型に置き換わり、感染の主流になってくるとみられており、その際には英国がコロナとの共生戦略を続けられるかが焦点になっている。
●ワクチン未接種の人々の行動を制限するドイツ 欧州ではオミクロン型が広がる前から、新型コロナの感染が拡大していた。前述の通りオランダやオーストリアでは再びロックダウンを導入。規制強化に反発する市民が、抗議行動を起こしていた。
オミクロン型が感染拡大に拍車をかけるのではないかと警戒を強めている。
一時はコロナ対策の優等生といわれたドイツは、今や見る影もない。11月下旬には1日当たりの感染者数が7万人を超え、医療機関が逼迫する恐れが強まっていた。危機意識を強めたドイツのイエンス・シュパーン保健相は記者会見で強いメッセージを国民に発した。「この冬が終わるころには、ドイツでは全員がワクチン接種を済ませているか、回復しているか、死んでいるかのいずれかだ」 実際、ドイツはワクチンの接種義務化に踏み込みつつある。
飲食店や映画館に入場できるのは、ワクチン接種者と新型コロナ感染から回復した人に限るほか、未接種者が他の世帯と会える人数を最大2人に制限。来年には18歳以上のワクチン接種の義務化が検討されている。
筆者が9月にドイツへ出張した際には、公共交通機関でのマスク着用率は英国より高かったほか、飲食店への入店の際にはワクチン証明書の提示を求めていた。そのため、ドイツが英国より感染拡大が深刻である理由は分かりにくい。
見えない日本の出口戦略
オミクロン型に対し、世界でも特に厳しい規制を導入したのが日本だ。11月29日に外国人の入国を翌日から禁止することを発表した。
長らく原則禁止していた外国人の入国を2021年11月8日から再開したばかりだった。
そして、世界を驚かす措置を取る。29日、航空各社に対し12月末まで、在外邦人を含む全ての人を対象とした入国便の新規予約の停止を要請し、日本の航空会社はその要請に従った。
世界では感染が拡大する国からの入国に厳しい措置を取るケースはあるが、自国民を保護するのではなく、帰国させない措置を取るのは異例だ。
その後、新規予約の受け付けを再開したものの、入国人数を絞っているために、希望しても帰国の途につけない人もいる。
厳しい規制やルールを守る人が多いなど様々な理由が考えられるが、日本の新型コロナによる感染者数や入院患者数は、欧州諸国や英国に比べて圧倒的に少ない。
英国は平均で1日当たり5万人ほどの感染者が判明しており、人口が2倍の日本に当てはめると毎日10万人もの感染者が判明していることになる。
日本の人口当たりの感染者数は英国のそれに比べると桁違いに少ない。
一方、日本は規制導入の時期が長かったため、経済回復のスピードが遅い。特に欧米諸国が経済活動を活性化させていた7~9月に緊急事態宣言を導入しており、同期はマイナス成長に陥った。
東京五輪・パラリンピックを経済成長の起爆剤にしようとしていた思惑は、厳しい規制で真逆に振れた格好だ。
IMFの予測によると21年通期のGDP成長率は2.4%で、主要な先進国の中で最低となる。
変異ウイルスの出現は、今後も続くことが予想されている。日本は今回、非常に厳しい国境管理を敷いているが、どのタイミングで規制を緩和していくのか。
どの国にとってもコロナ対策と経済対策の両立を図ることは難しく、どんな政策を取っても世論の批判は避けられない。
ただ、新型コロナの感染拡大は今後も続き、いつかは共生という出口戦略を探らなければならない。
欧州諸国は多くの失敗を繰り返しながら、そのトライを進めている。日本のコロナ共生への道筋はまだ見えていない。
2021年12月15日Yahooニュースが日経ビジネス誌を掲載した記事から
村松社長
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